2012年3月31日土曜日

スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチ - Himazu Archive 2.0


以下は2005年6月12日に行われた米国スタンフォード大学の卒業式でスティーブ・ジョブズが行ったスピーチの原稿の日本語訳である。

翻訳に当たっては中崎義己さんと大西達也さんにご協力いただいた。お二人ともどうもありがとうございました。

英語の原文を英語学習に使う人の役に立てばと、「スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチの英文解釈」というページもサイト上にあるので参考にしていただければ幸いである。

このページの翻訳の原文はスピーチ原稿で実際のスピーチとは異なる部分がある。スピーチを書き起こしたものがここにある。

このページ以外にも幾つか翻訳があるので、それを挙げておく。

これらの他に抄訳がいくつかある。活字になったものとしては週刊アエラ2005年9月19日号の抄訳がある。

更新記録:

2011-10-08: 余分な半角スペースを除いた。

2008-08-20: 以前の場所から、ここに移して、日本語として不自然な箇所を修正した。また、たどれなくなったリンクを削除した。

2006-10-14: 山口浩氏の翻訳へのリンクを追加した。

2005-06-25: 初出(geocities.co.jp上で)


「たまらなく好きなものを見つけなければならない」ジョブズは言った。

以下は2005年6月12日の卒業式で、アップルコンピューターとピクサーアニメーションスタジオのCEO、スティーブ・ジョブズが行なったスピーチの原稿である。

今日、皆が世界最高の大学の1つを卒業する場に同席できて光栄に思う。私は大学を卒業したことがない。本当のところ、これは私にとって最も大学卒業に近い体験だ。今日は皆に私の人生から3つの話をしたい。それだけだ。大したことじゃない。3つだけだ。

最初の話は点をつなぐことについて。

私はリード大学を6ヶ月で中退したが、更に1年半ほど後に完全に辞めるまで、もぐりの学生として大学に顔を出していた。ではなぜ中退したのか。

話は私が生まれる前に遡る。私の産みの母は若い未婚の大学院生で私を養子に出すと決めていた。生みの母は養父母は大学卒でなければととても強く思っていたので、私は生まれると同時に弁護士夫妻の養子になるよう万事整っていた。ところが、私が生まれるとその夫妻は女の子が欲しかったと言い出した。そこで待機者リストに載っていた私の両親は夜中に電話を受け、「望んでいなかった男の子が生まれました。この子を養子に欲しいですか?」と聞かれた。両親は「もちろんです」と答えた。産みの母はその後、私の母は大学を卒業していないし、私の父は高校を卒業していないことを知り、最終的な養子縁組の書類に署名することを拒んだ。何ヶ月かして私の両親が私を大学にやると約束した時点で産みの母はやっと態度を緩め� ��。

2012年3月30日金曜日

米国版・「臨床心理士はつらいよ」 後編 ~So You Want A PhD In Clinical Psychology? - 失われた【本質~The Essence~】を求めて


前回に引き続き、アメリカにおける臨床心理士(博士)の現実を生々しく描いたYouTubeの動画を紹介します。前半の内容は こちら、「前編」からどうぞ。

登場人物は、臨床心理士の資格を持つ大学の先生、そして、進路相談に訪れた大学四年生の女子学生。

「自分に誇りを持てるようになりたい、だから『ドクター』と呼ばれたい」
という甘ちゃん(笑)な理由で博士課程に行きたい、と言う彼女に対し、先生はあまりいい顔をしません。

学費については学資ローンを利用してまかない、博士号を取得した後でじゃんじゃん仕事して返済すればいいじゃないか、と女子学生は考えているのですが...。

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(☆先生のセリフは緑字、女子学生のセリフは黒字です。☆)

まず、オフィスの賃料を払わなくてはいけないわね。
それから、医療過誤保険、資格認定のための費用、研修のための
講座受講費、広告代、全米心理学会、州の心理学会、地域の心理学会、
そうした全ての所属団体に払う会費を払わなければなりません。

その上、毎月の学資ローン【※注】の支払いもありますね。
わざわざ博士号を取っても、修士だけのセラピストよりも時給にして
10ドルかそこら上乗せされるに過ぎません。

 

なのに、学資ローンの返済額は修士の場合よりも
さらに10万ドル増えて、利息も上乗せされます。修士だけ取って
さっさと仕事を見つけた人たちに比べ、時間的にも遅れを取りますしね。

そうしたこと全てを考慮してみると、博士号をわざわざ取ったって、
修士号のみのセラピストに比べて1時間あたりの収入は逆に15ドル低くなるのよ。 

【※注:大学の学費を金融機関から借り入れ、卒業後に本人が返済していく
タイプのローン。アメリカの中産階級以下の家庭ではごく普通に見られる、学費捻出法。